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2011年11月

セミナー概要

NPO法人日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会(略称 若手外科系医師を増やす会)は、平成23年10月8日に、東京都新宿区の京王プラザホテルにおいて、 「第1回きみが外科医になる日セミナー(東京)」 を開催しました。会場には、若手外科医や研修医、医学生など約300人が来場し、講演に耳を傾けていました。

セミナーでは、外科医による講演のほか、実際の手術を体験できる「手術体験ワークショップ」も行われました。ワークショップは、コヴィディエン ジャパン株式会社とジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の協力のもとで開催しました。実際に腹腔鏡下手術で使用する内視鏡器具を使い、内視鏡の映像を頼りにビーズを移動したり糸結びをするものです。セミナー会場では医学生たちが、ワークショップの前に列を作る光景も見られました。

セミナー後には懇親会が開かれ、医療の最前線でメスを振るうベテラン外科医に対し、若手医師たちが熱心に質問する姿が見られました。セミナー終了後に集めたアンケートからも、「外科医の世界を垣間見られてよかった」「最前線の外科治療を聞き、外科に大変興味がわきました」との声が多く寄せられました。

各講演のテーマと内容の一部を以下に紹介します。動画は、株式会社ケアネット様のWebサイトから無料で視聴できます。
http://www.carenet.com/cncontents/resident/cens02/

目次

挨拶・メッセージ

NPO法人日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会理事長 松本 晃 あいさつ
慶應義塾大学医学部外科学教授 北川 雄光先生 司会者あいさつ
国際医療福祉大学 学長・慶應義塾大学医学部名誉教授 北島 政樹先生ビデオメッセージ

慶應義塾大学 外科 現米国マイアミ大学移植外科臨床フェロー 日比 泰造先生

テーマ「限りなき探求」

鹿児島大学大学院 腫瘍学講座 消化器・乳腺甲状腺外科 診療講師 喜島 祐子先生

テーマ「女性医師の外科への取り組みーこれまでとこれからー」

慶應義塾大学医学部 整形外科学 専任講師 中村 雅也先生

テーマ「脊髄損傷患者さんを治したい」

藤田保健衛生大学 上部消化管外科学 教授 宇山 一朗先生

テーマ「ロボット手術への挑戦」

東京慈恵会医科大学外科学講座 Chairman(統括責任者) 大木 隆生先生

テーマ「大動脈瘤との戦い:手術不能の壁に挑む」

長崎大学名誉教授 長崎市病院事業管理者 兼松 隆之先生(当会理事)

テーマ「きみが外科医になる日~キッズセミナーのあゆみ~」

岩手医科大学 医学部外科学講座 教授 若林 剛先生(当会理事)

テーマ「手術を極める」

懇親会の様子

セミナー後に開催された懇親会の様子

慶應義塾大学 外科 現米国マイアミ大学移植外科臨床フェロー 日比 泰造先生
~ テーマ「限りなき探求」 ~

写真:日比泰造先生

元々は肝胆膵移植外科を専門としている。国際がん研究機関によると、2008年の全世界の新規がん患者数は1270万人で、同年の死亡者数は760万人にものぼるという。2030年までに、がん患者数が2140万人、死亡者数は1320万人になるとすれば、これらの患者を治すには外科医の存在が欠かせない。

実際に私が携わった例について紹介しよう。1つは、血液型が合わない(ABO血液型不適合)患者への移植手術だ。47歳女性で3か月後の生存率は0%という厳しい状況だった。従来はABO血液型不適合の患者に対する移植手術は、生存率が限りなく0に近かったが、外科医たちの技術研鑽が実って生存率は飛躍的に上がってきた。何とか生きてもらいたいという一心で、移植手術に臨んだ。患者は手術前に「桜を見たい」と言ったので、手術スタッフや看護師などと一緒に病院前で写真を撮った。何気ない日常の風景に見えるが、彼女は「これが最後の桜かもしれない」と思って見たに違いない。残念ながら彼女の命は救えなかった。それは今でも悔やむし、もっとこうすればよかったのではないかと思わない日はない。外科医が患者を救えなかった場合、たとえどれだけスムーズに手術が進んだとしても、それを成功とは言えないのだ。

写真:日比泰造先生

外科医には4つの「A」が必要だと思う。1つは「Artist」だ。特に高速道路の立体交差やジェットコースターの軌道と、血管の縫合は良く似ている。立体的な造形をイメージしながら組み立てる必要があるからだ。もう1つは「Athlete」。一流のアスリートと同じく、神経を研ぎ澄ませ、1つの手術を真剣勝負だと思って仕事をしなければならない。さらに「Architect」(枠組み)も必要だ。最後に「Ally」が来る。外科医はオーケストラの指揮者に例えられることがある。看護師やコメディカルなどすべてのスタッフを先頭で導く必要がある。そのための同士は、かけがえのない存在だ。私はこれからも、偉大なる先人を見習って、外科医として地球に貢献していきたいと思っている。

日比 泰造先生の公演内容はこちら

動画を見る(You Tube)

演者略歴

写真:日比泰造先生

日比 泰造(ひび たいぞう)先生 (1973年9月6日生)
マイアミ大学医学部 移植外科 臨床フェロー
慶應義塾大学 医学部
【学歴】
1998年3月 慶應義塾大学医学部 卒業
【職歴】
1998年4月 横須賀米海軍病院 インターン
1999年5月 慶應義塾大学医学部外科学教室 研修医
2000年5月 多摩丘陵病院 出向
2001年5月 国立がんセンター中央病院 外科レジデント
2004年5月 国立がんセンター中央病院 がん専門修練医(肝胆膵外科)
2006年4月 慶應義塾大学医学部外科学教室 一般・消化器外科 専修医
2008年4月 慶應義塾大学医学部外科学教室 一般・消化器外科 助教(肝胆膵・移植)
2010年7月 マイアミ大学医学部 移植外科 臨床フェロー
【学会】
日本外科学会専門医
日本がん治療認定医
日本消化器外科学会
日本肝胆膵外科学会
日本肝癌研究会
日本膵臓学会
日本移植学会
日本肝移植研究会
American Society of Clinical Oncology
American Society of Transplant Surgeons
【その他】
2009年 ECFMG (Education Commission for Foreign Medical Graduate)
2010年 医学博士